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「広島ビジョン」を批判 日本被団協 定期総会始まる

 日本被団協は20日、東京都内のホテルで定期総会を始めた。田中熙巳(てるみ)代表委員(91)は、5月の先進7カ国首脳会議(G7広島サミット)で採択された核軍縮の共同文書「広島ビジョン」に触れ「核兵器を最大に活用し、日本の安全を保つという中身だ」と改めて異を唱えた。定期総会は21日まで。

 全国の被爆者組織から約80人が参加した。あいさつした田中氏は、核抑止論を事実上肯定する文言が入った広島ビジョンについて「被爆者や核兵器禁止条約に一言も触れていない」と指摘。核兵器廃絶に向け「老骨にむち打ち、今まで以上の運動をやらなければならない」と呼びかけた。

 基調報告した木戸季市事務局長(83)は、ロシアによるウクライナ侵攻の長期化で「核使用の危機は高まる一方だ」と強調。日本政府の対応を「和平努力をせず、米国との軍事同盟を強めている」と批判し、憲法9条を生かした平和外交を求めた。

 昨年度の活動報告もあった。被団協が、米国での核拡散防止条約(NPT)再検討会議に代表団を送ったことや、核兵器禁止条約への署名・批准を政府に求めた運動などを振り返った。(樋口浩二)

(2023年6月21日朝刊掲載)

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