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「核抑止でなく廃絶を」 日本被団協定期総会 特別決議を採択

 日本被団協は21日、東京都内のホテルで開いていた定期総会を終えた。5月の先進7カ国首脳会議(G7サミット)で核抑止を事実上肯定した共同文書「広島ビジョン」が発表されたのを踏まえ、「核抑止ではなく核兵器廃絶を」と題した特別決議を採択した。

 全国の被爆者組織から参加した約80人が拍手で承認した。決議は核拡散防止条約(NPT)体制の強化などに触れた広島ビジョンについて、外務省への要請活動で「毎回耳にしてきたことの繰り返し」だと指摘。被団協は国内外の支援者と「核兵器廃絶を目指す運動を進める」と結んだ。

 7月末にオーストリアで始まるNPT再検討会議の第1回準備委員会に家島昌志代表理事(81)を派遣するとの報告もあった。

 総会後の記者会見では、核抑止論の高まりに対する懸念の声が相次いだ。児玉三智子事務局次長(85)は今月、核兵器禁止条約の街頭署名で「核抑止が必要」とした高校生に核威嚇の恐ろしさを説いたと紹介した。

 被団協は22日、国会内で被爆地選出の与野党議員たちに同条約への署名・批准や被爆者援護施策の充実を要請する。木戸季市事務局長(83)は「実現するまで粘り強く続ける」と前を向いた。(樋口浩二)

(2023年6月22日朝刊掲載)

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