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請願「廃案」後 再提出相次ぐ 市中央図書館移転 広島市議会へ市民団体

 広島市立中央図書館(中区)の移転計画で、市内の二つの市民団体が21日、移転に反対する請願を市議会へ提出した。5月2日からの現任期では初の動き。前任期中も出していたが、継続審議の末、改選で事実上廃案になっていた。市議たちに改めて判断を求める。

 21日午前、元教職員や文化団体などでそれぞれつくる市民団体の代表者たちが市議会棟を相次いで訪問。JR広島駅前の商業施設エールエールA館(南区)への中央図書館移転に反対する請願書を母谷龍典議長に渡し、「現在地で存続させてほしい」「時間をかけて再検討を」などと訴えた。

 議会事務局によると、市議会は前任期(2019年5月2日~23年5月1日)に受理した請願47件のうち78・7%の37件について採択か不採択かの結論を出さなかった。中央図書館や、当初対象だったこども図書館(中区)の移転中止に関する8件を含む。一方、市は昨年9月、こども図書館を現在地に残す方針に転換。市議会は今年3月に中央図書館の関連予算案を可決している。

 母谷議長はこの日、関連予算案の可決を踏まえ「逆戻りは難しい。議会が出した結論を重く受け止めてほしい」と請願者に説明した。今回の請願の扱いについては、中国新聞の取材に「結論を早めに出したい」と述べた。

 この日は、2団体とは別に読書ボランティアでつくる市民団体も母谷議長に面会。こども図書館の充実を要望する請願を出した。(野平慧一)

(2023年6月22日朝刊掲載)

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