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「戦争ホウキ」願い込め 被爆者2人、平和のミニアート

 広島県出身の2人の被爆者がミニチュアアート「戦争ホウキ」を手作りした。手のひらサイズのほうきに、核兵器と戦争の「放棄」の願いを込めたという。広島市中区で24日から開く作品展で紹介、配布する。

 小枝の柄に、ススキの穂などを取り付けて作った10センチほどのほうき。広島で胎内被爆し、平和ボランティアをしていた山口誠治さん(77)=東区=が、憲法9条で掲げる戦争放棄について伝えようと、約3年前に作り始めた。

 友人で、4歳の時に戸坂村(現東区)で被爆した月下美紀さん(82)=北海道鹿追町=も加勢。沖縄県に住んだ経験があり、太平洋戦争で激しい地上戦が繰り広げられた歴史も知ってもらおうと、現地に自生するゲットウやハナバショウを取り寄せ、ほうきの色や素材の種類を増やした。

 2人は別の友人と共に約6千本を製作。24~29日に中区のJMSアステールプラザで開く作品展の来場者や、平和記念公園(中区)を訪れた観光客たちに配る。月下さんは「平和や核兵器廃絶を願う『ヒロシマの心』をアートで分かりやすく伝えたい」と意気込む。作品展では月下さんの墨アートや山口さんの折り鶴も並べる。入場料は大人700円(大学生以下無料)。(太田香)

(2023年6月23日朝刊掲載)

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