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平和公園と姉妹協定 米、広島サミット機に打診 パールハーバー国立公園

 広島市は22日、平和記念公園(中区)と米ハワイ州のパールハーバー国立記念公園の姉妹公園協定を29日に結ぶと発表した。5月に市であった先進7カ国首脳会議(G7サミット)を機に、米側から打診があったという。市は「戦争の始まりと終焉(しゅうえん)の地に関係する両公園の提携は、過去の悲しみを耐えて憎しみを乗り越え、未来志向で平和と和解の架け橋の役割を果たす」としている。

 市によると、パールハーバー国立記念公園には、日米開戦の発端となった真珠湾攻撃の犠牲者を追悼する碑がある。協定は、両公園の戦争関係の資料などを活用した企画展の開催▽日米の平和教育に関する情報の共有▽両公園を支援するボランティアのノウハウの共有―などを定め、有効期間は署名から5年間。平和記念公園が姉妹公園協定を結ぶのは初めてとなる。

 米国のリチャード・メイ駐大阪・神戸総領事が4月、両公園とも太平洋戦争の当事者間の相互理解と平和の推進を目的にしているとして「サミットを契機に協定を締結したい」と市に打診。市側は広島訪問の促進にもなるとして受け入れを決めたという。

 29日は、東京の米国大使館で松井一実市長とエマニュエル駐日大使が協定書に調印する。(野平慧一)

(2023年6月23日朝刊掲載)

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