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全国の原発5基 3年以内に節目 新原発に力 対策後回し 島根1号機40年

 中電を含め、全国3電力の原発5基が今後3年以内に運転開始から40年を迎える。3電力とも再稼働に必要な安全対策は手付かずの工事を残す。より再稼働のハードルが低いとみられる新しい原発を優先し、対応が後回しとなっているのが実情だ。

 「稼働の可能性が高い原発の対策に力を注いでいる」。2015年10月に玄海1号機(佐賀県)が運転40年となる九州電力の広報担当者は説明する。原子炉を冷やすための注水配管の追加設置など再稼働に必要な工事は未着手が多い。既に原子力規制委員会に安全審査を申請した川内1、2号機(鹿児島県)と玄海3、4号機に「集中投資」を進める。

 関西電力は14年11月に高浜1号機(福井県)、15年11月に同2号機、16年12月に美浜3号機(同)が40年を迎える。3基とも「安全対策に手付かずの工事がある」という。

 安全対策に加え、稼働に欠かせない原子炉の特別点検は3電力とも始めていない。規制委への提出期限は15年7月までだが、いずれも「実施する方向で検討中」とするにとどまる。

 既に運転40年を超えた全国の3原発では、日本原子力発電が敦賀1号機(同)について運転期限を16年までと決めた。美浜1、2号機は関電が再稼働を目指している。(樋口浩二)

(2014年3月28日朝刊掲載)

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