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「カープ誕生物語」きょう復刻発売 「はだしのゲン」作者 中沢さん作品

 原爆投下の5年後に広島市に誕生したプロ球団に夢を託し、たくましく生きる市民の姿を描いた漫画「広島カープ誕生物語」が復刊した。中区出身の「はだしのゲン」の作者、故中沢啓治さんが20年前に発表した作品。広島東洋カープの今季開幕戦に合わせ、28日に発売される。

 広島原爆で孤児になった野球少年が主人公。カープ創設から1975年の初優勝まで、仲間たちと野球に打ち込みながら、被爆地で生き抜く姿を描いた。往年の名選手や、草創期の経営危機を救った「たる募金」なども登場する。

 中沢さんは大のカープファン。「カープに希望を託し、弱くても応援し続けた人々の姿を記録したかった」と語っていた。94年に汐文社(東京)が出版後、絶版。中沢さんが2012年12月に亡くなった後、遺志を受けた垣内出版(同)が再出版にこぎ着けた。

 妻ミサヨさん(71)は「カープの優勝が待ち遠しい。復刊が景気づけになれば」と期待している。

 B6判、407ページ。1600円(税別)。垣内出版Tel03(3428)7623。(田中美千子)

(2014年3月28日朝刊掲載)

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