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被爆伝える教育充実を 広島市教委の平和教材巡りシンポ

 漫画「はだしのゲン」の引用をやめた広島市教委の平和教材「ひろしま平和ノート」について考えるシンポジウムが、中区の広島弁護士会館であった。奈良大の高橋博子教授(文化史学)たちパネリスト3人が問題点などを論じた。

 県内の元教員たちでつくる市民団体などが主催。シンポに先立ち、改訂された平和ノートについて、主催者が「被爆の実相に迫る内容に乏しい」「核兵器廃絶の表現が後退した」などと報告した。

 高橋教授は「日本では、原爆を落とした米国に謝罪を求めない言説が強まっている。核抑止を容認すると、これまで培ってきた平和教育が崩れてしまう」と危機感を訴えた。会場からは「ゲンの伝える力は市教委も否定していない。平和教育の導入に使うことはできる」などの声が上がった。オンラインを含め約180人が参加した。  (秋吉正哉)

(2023年6月27日朝刊掲載)

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