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広島ビジョン「期待程遠い」 サミットを総括 広島被爆者7団体

 二つの広島県被団協など広島の被爆者7団体は26日、広島市で5月にあった先進7カ国首脳会議(G7サミット)を総括した声明を発表した。核軍縮に特化した文書「広島ビジョン」を巡り、「核抑止体制の維持をうたい、期待に程遠い」と批判した。

 声明ではほかに、米国が核攻撃を指令する通信機器などを入れた「核のフットボール」とみられるかばんを平和記念公園(中区)に持ち込んだとして抗議。首脳たちが面会した被爆者が1人だった点に遺憾の意を示した。日韓首脳による公園内の韓国人原爆犠牲者慰霊碑訪問などは評価した。

 市役所で記者会見した県被団協の箕牧(みまき)智之理事長(81)は「被爆者の願いは核兵器廃絶。その願いがむなしく消えていくようだ」と嘆いた。もう一つの県被団協の佐久間邦彦理事長(78)はビジョンが核抑止論を堅持している点に触れ「被爆者として納得いかない」と強調した。(小林可奈)

(2023年6月27日朝刊掲載)

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