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祖母の被爆体験 朗読劇に 舞台俳優中村香織が原案・主演 広島で来月15・16日上演

 原爆に日常を奪われた若者の姿を描く朗読劇「アサガオの雫」が7月15、16日、広島市中区のJMSアステールプラザで上演される。被爆3世の舞台俳優中村香織(44)=東区出身=が祖母の被爆体験から原案を手がけ、自ら主演する。「若い人たちに戦争を過去ではなく身近なこととして感じてほしい」と語る。

 物語は現代の東京で始まる。仕事に行き詰まった女性が広島に帰省し、原爆症のため若くして亡くなった伯母が残したアサガオの絵を見る。時はさかのぼり、原爆投下から12年後の広島。16歳の喜美恵は生き残った罪悪感を抱えていたが、復興していく広島の街でアサガオを描くという新たな目標を見つける。

 中村が祖母の短歌や手記から着想。2016年の初演以来、舞台仲間と広島や東京で上演を続けている。「アサガオのつるが伸びていくように、平和の思いが次世代へとつながっていってほしい」と願う。

 15日午後6時、16日正午開演。5500円、高校生以下4千円。収録した動画を26日~8月15日に配信する。視聴料は2千円。問い合わせは電子メールasagao.ticketinfo@gmail.com (木原由維)

(2023年6月28日朝刊掲載)

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