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原爆死没者名簿 被爆留学生登載 広島大 17人初申請発表

 広島大は28日、広島原爆に遭った後に亡くなった留学生17人の名前を広島市の原爆死没者名簿に登載するよう初めて申請したと、正式に発表した。越智光夫学長はこの日の定例記者会見で「異郷で被爆した留学生の冥福をお祈りし、平和を希求する精神を持ち続ける」と述べた。

 日本軍が統治した「満州国」(現中国東北部)など中国大陸から留学していた9人と、親日的な指導者を育てる日本の国策で東南アジアから来日した「南方特別留学生」8人の計17人。いずれも広島大の前身の文理科大や高等師範学校に在学中に被爆し、うち中国からの6人とマレーシア出身の2人が犠牲となった。

 広島大は生き延びた9人についても、これまでに死去したことを確認。市に名簿登載を申し込み、今月1日に受理されたという。市は既に記載されている人がいないかを調査し、未記載の人を名簿に載せる。

 17人のうち8人は広島大の原爆死没者名簿にも未記載だったため、追記した。中国から来日中に被爆した留学生は他にも3人いるが、広島大は消息をつかめておらず「今後も調査を続けたい」としている。(田中美千子)

(2023年6月29日朝刊掲載)

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