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広島・平和公園と米パールハーバー 姉妹協定を締結 大使「和解の場」強調

 広島市中区の平和記念公園と米ハワイ州のパールハーバー国立記念公園が29日、姉妹公園協定を結んだ。東京・赤坂の米国大使館での調印式に出席したエマニュエル駐日大使は「かつて対立の場であった両公園は、今では和解の場となった」と強調した。

 先進7カ国首脳会議(G7サミット)の広島開催を機に米側が打診した。両公園の資料を活用した企画展の開催や平和教育の情報共有などで力を合わせる。松井一実市長は式で、協定が「人類が戦争という過ちを侵しながらも理性を持って和解し、未来志向で平和を求めることができる存在であるとの象徴になる」と訴えた。

 オバマ元米大統領が平和記念公園を、安倍晋三元首相がパールハーバー国立記念公園を訪れたのを受け、ホノルル広島県人会が2017年に打診した際は、市が断っていた。松井市長は「十分時間をかけて検討した。未来志向で(米国と)良い関係が築けると確信した」と理解を求めた。

 オバマ氏も式に「日米両国民と日米が共有する過去をつなぐことで、私たちは平和と協力に基づいた共通の未来を構築できる」とのメッセージを寄せた。

 被爆地には協定を疑問視する声がある。エマニュエル大使は記者会見で「何事も100%の合意はない。複雑な気持ちも分かるが重要なのは(日米の)和解だ」と述べた。(樋口浩二)

(2023年6月30日朝刊掲載)

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