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大規模演習で米軍機飛来 岩国基地 2日から騒音激化懸念

 米軍の大規模演習が7月2日に日本周辺などで始まるのを控え、岩国市の米軍岩国基地に29日、嘉手納基地(沖縄県)から米空軍のF15E戦闘攻撃機が飛来した。米空軍の担当者は岩国基地で報道陣に「岩国は地理上、戦略上優れている。演習は日米同盟の関係強化が目的」と述べた。

 午前11時15分から相次いでF15E9機が着陸した。同型機は全12機が来る予定で、7月7日から14日までは、うち9機が福岡県の航空自衛隊築城基地などに移る。近く米軍三沢基地(青森県)のF16戦闘機12機も来る。

 米軍の大規模演習「ノーザン・エッジ」は21日まで日本周辺などであり、空自も参加する。

 F15Eの部隊が所属する第366戦闘航空団司令のエルネスト・ディベトリオ大佐が取材に応じ「インド太平洋地域のパートナー国と相互運用を強め、指揮統合の練度を高める」と演習の目的を説明。岩国基地について「軍種を超えた部隊が共存し、空軍にとっても地理上、戦略上の位置付けが重要。訓練は今後に役立つ」と述べた。期間中の飛行については「できる限り滑走路の運用時間内に離着陸できるようにする。騒音軽減の対策も可能な限り取りたい」と述べた。

 一方、F15Eは核爆弾の投下訓練をした機種とされる。岩国市の市民団体「瀬戸内海の静かな環境を守る住民ネットワーク」の久米慶典顧問は「F15Eは核攻撃の任務に就く戦闘攻撃機であることは否定できない。容認できない」と述べた。(有岡英俊、川村奈菜)

(2023年6月30日朝刊掲載)

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