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レストハウスに平和の調べ 中区 被爆ピアノとチェロ共演

 広島市中区の平和記念公園にある被爆建物のレストハウスが1日、リニューアルから3年を迎え、館内で記念のコンサートが開かれた。地元の音楽家2人が、被爆ピアノとチェロの調べを響かせた。

 エリザベト音楽大非常勤講師のピアニスト北林聖子さん(49)が、19歳で被爆死した河本明子さんの遺品のピアノを演奏。広島文化学園大非常勤講師のチェロ奏者吉長孝穂さん(45)と共に「浜辺の歌」など5曲を2回公演した。

 初回には約50人が来場。1曲奏でられるたびに、力強い拍手を送った。西区の音楽講師木村美子さん(73)は「美しいピアノの音色と迫力あるチェロの音に驚いた。もっと聞きたい」と話していた。

 爆心地から170メートルに位置するレストハウスは2020年7月1日にリニューアルオープン。市が耐震性の確保や機能充実のため改修し、外観は1929年に大正屋呉服店として建った当時に近い姿へ復元した。地域住民や観光客の休憩施設として親しまれ、被爆ピアノの継承活動も続けられている。 (大平健幹)

(2023年7月2日朝刊掲載)

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