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田母神氏8・6広島講演 フタバ図書がチケット販売中止 「市民感情配慮」

■記者 東海右佐衛門直柄

 8月6日に広島市内で計画されている田母神俊雄・前航空幕僚長の講演について、中国地方最大手書店のフタバ図書(広島市西区)がチケット販売を中止したことが10日、分かった。同社は、田母神氏が核武装論者であることを挙げ「原爆の日に講演することを快く思わない市民感情に配慮した」としている。

 コンサートや講演会の発券業務を扱うMEGA祇園中筋店(安佐南区)と、GIGA広島駅前店(南区)の2店。店内に掲示していた講演ポスターを6日にはずし、チケット販売も中止した。

 同社総合管理本部は「広島の会社としてふさわしくないと考えて判断した」と説明。販売中止を求める抗議や要望があったかどうかは「答えられない」と明らかにしていない。

 講演をめぐっては、主催する日本会議広島に対し、広島市の秋葉忠利市長が開催日変更を要請。広島の被爆者7団体も抗議文を送る方針を決めている。

 チケットの販売中止ついて、日本会議広島の事務局は「現時点でコメントできない。チケットはほぼ完売しており、予定通り8月6日に開く」としている。

 広島修道大の岡本三夫名誉教授(平和学)は「核兵器廃絶を願う多くの市民にとって講演は挑戦的であり、販売中止は当然だ」と話す。  これに対し、日本図書館協会の西河内靖泰・図書館の自由委員会委員は「差別や人権侵害を意図していないのなら、表現の自由は尊重されなければならない。核武装論には核廃絶論で対抗すべき」と強調し、講演排除の動きに疑問を呈している。

(2009年7月11日朝刊掲載)

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