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「安倍氏の功績を礎に」 死去1年 首相、防衛強化も強調

 岸田文雄首相は30日、安倍晋三元首相の死去から7月8日で1年になるのを前に、「(安倍氏の)功績を礎として、新しい時代を切り拓く決意だ」との考えを示した。21日の記者会見で指名されなかった中国新聞の質問に書面で回答した。安倍氏が唱えた防衛力強化や経済政策を進める姿勢も強調した。

 安倍氏が提唱した「自由で開かれたインド太平洋」は「G7(先進7カ国)で共有している」と説明。ロシアのウクライナ侵攻を念頭に「分断と対立に向かいかねない国際社会を協調に導くための指針で、今後の外交でもさらに発展させたい」と意気込んだ。

 防衛力は「外交の裏付けとなる」とし、その「整備の重要性について安倍元総理から想いを受け継いだ」と表明。防衛力増強の財源を確保する特別措置法が今国会で成立したことを挙げ「着実に取り組みを進めている」と説明した。経済政策では「デフレからの脱却や賃上げが当たり前となる経済に向けた道筋を確かなものにする」とした。

 首相は安倍氏と同じ1993年の初当選で、安倍政権を沖縄北方担当相や外相として支えた。安倍氏の死去の直後には「思いを引き継ぎ、責任を果たす」と語っていた。(中川雅晴)

(2023年7月1日朝刊掲載)

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