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ハワイ日系女性 歩みたどる 松元裕之監督 広島で15日公開 広島ゆかりの2世ら証言

 ハワイに生きた日系2世の女性たちの証言をまとめたドキュメンタリー映画「Okagesama de(おかげさまで)~ハワイ日系女性の軌跡」が15~28日、広島市西区の横川シネマで公開される。松元裕之監督は「証言してくれた男女19人のうち、親が広島県出身の2世が6人を占める。多くの移民を送り出した広島の若い世代に、日系人の歴史を知ってほしい」と話す。(渡辺敬子)

 日本からハワイへの移民は1868年に始まった。見合い写真だけを頼りに海を渡った「写真花嫁」も少なくない。プランテーションで働き、子どもに教育の機会を与え、懸命に社会の信頼を築いた。家族との思い出をいとおしむように、穏やかな表情で語る言葉には重みがある。当時の写真を交えて解説を加え、時系列で証言をつないだ。

 「埋もれがちな女性たちの頑張りを記録に残したかった」と松元監督。2018年に撮影を始め、70~90代の19人のうち、既に7人が亡くなった。21年にハワイ国際映画祭で上映され、今年9月にはロサンゼルス日本映画祭に出品される。

 「日系人は広島や日本の戦後復興に援助を惜しまなかった。日本人がハワイで歓迎されるのも彼らのおかげだ」と松元監督。「映画をきっかけに、多くの人と交流を深めたい」と願う。

 上映は午後2時から。15~17日は松元監督が舞台あいさつする。上映期間中は地元のグループがフラダンスを連日披露する。横川シネマ☎082(231)1001。

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 第2次世界大戦中に「二世部隊」として戦った退役軍人の証言をまとめた前作「Go for Broke!~ハワイ日系二世の記憶」(12年)を16日午後6時、中区の合人社ウェンディひと・まちプラザで上映する。2千円(学生千円)。予約はメールで。hmatsugen@ybb.ne.jp

(2023年7月1日朝刊掲載)

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