×

ニュース

広島サミット主会場の料理監修・下井さん 提供メニュー紹介

母国の味「おいしい」マクロン氏

2倍の量「ぺろっと」トルドー氏

 先進7カ国首脳会議(G7サミット)の主会場となったグランドプリンスホテル広島(広島市南区)で、各国首脳向けの料理を監修した西武・プリンスホテルズワールドワイド(東京)の下井和彦執行役員総料理長(62)=福山市出身=が30日、報道各社の取材に応じた。「記憶に残る華やかな演出を意識した。国を代表する気持ちでやった」と振り返った。

 監修したのは、5月19~21日のサミットで振る舞われた食事のうち、19日のワーキングランチと20日の社交夕食会の洋食。メニューには広島県産を中心に魚介類やかんきつなど旬の食材を選んだ。宗教や好みなどを考慮し、半年近く試行錯誤した。ドライアイスやプロジェクションマッピングを使った演出も凝らした。

 20日の社交夕食会では、フランスのマクロン大統領から会場に招かれ「おいしかった」と伝えられたという。「フレンチコースだったので、まさにその国から評価されたのは光栄」と喜ぶ。カナダのトルドー首相からは事前に要望を受け、全ての食事で2倍の量を用意した。「ぺろっと完食してくれた」と明かす。

 5月10日からホテルに詰め、事前に広島入りした各国の関係者にも料理を提供した。サミット中は24時間対応。デザートに折り鶴を模したチョコレートを用意し、平和のメッセージも込めた。「広島で生まれた自分が巡り合わせたのは光栄なこと」とほほ笑んだ。(森岡恭子)

(2023年7月1日朝刊掲載)

年別アーカイブ