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仏海軍大佐が兵士慰霊 南区 1900年「北清事変」7人埋葬

 在日フランス大使館(東京)の国防武官ジェローム・シャルドン海軍大佐(48)が3日、広島市南区の比治山陸軍墓地にあるフランス兵の墓を訪れた。祖国から遠く離れた地で眠る兵士たちを悼み、花を手向けた。

 墓地には清朝末期の1900年に中国で起きた「北清事変」で負傷し、広島へ搬送後に亡くなったフランス兵7人を埋葬。列強に反発した「義和団」を鎮圧するため、日米英仏などが出兵していたという。

 シャルドン海軍大佐は、広島日仏協会(中区)主催の行事に合わせ、初めて市を訪問。原野昇副会長(80)の案内で犠牲者を追悼する碑に献花した後、墓に参った。「海が見える見晴らしの良い場所。フランスへ連れて帰れなかったが、日本人が手厚く葬ってくれたことに感謝する」と語った。

 原野副会長は「フランス兵の墓地は日仏友好のシンボル。多くの人に知ってもらいたい」と話している。(野平慧一)

(2023年7月4日朝刊掲載)

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