被爆者の記憶 絵筆で継承 基町高「原爆の絵」完成
23年7月4日
広島市中区の基町高創造表現コースの2、3年生が新たに描いた「原爆の絵」9点の完成披露会が3日、校内であった。生徒9人が被爆者5人の「あの日」の記憶を絵筆で受け継いだ。
電車の窓から見えた遺体、赤ちゃんを抱いて助けを求める母親…。生徒たちは昨年10月に被爆者から聞き取りを始め、思い思いの筆致で各1点を仕上げた。
3年の福本あおいさん(17)は、福山市の広中正樹さん(83)の証言を基に、父親の背中に刺さったガラス片を抜く5歳の少年の姿を油絵で表現。「戦争の痛みを少しでも多くの人に考えてもらいたい」と話した。披露会に招かれた広中さんは自身の絵を「父は『戦争をするとこうなるんだ』と背中で教えてくれたのだろう」と振り返り、ほかの生徒たちの作品も含めて出来栄えをたたえた。
基町高は2007年度から原爆資料館(中区)の依頼で絵を描き、191点を完成させた。今回の9点を含む一部の作品を、8月6~24日に広島国際会議場(中区)で展示する。(太田香)
(2023年7月4日朝刊掲載)
電車の窓から見えた遺体、赤ちゃんを抱いて助けを求める母親…。生徒たちは昨年10月に被爆者から聞き取りを始め、思い思いの筆致で各1点を仕上げた。
3年の福本あおいさん(17)は、福山市の広中正樹さん(83)の証言を基に、父親の背中に刺さったガラス片を抜く5歳の少年の姿を油絵で表現。「戦争の痛みを少しでも多くの人に考えてもらいたい」と話した。披露会に招かれた広中さんは自身の絵を「父は『戦争をするとこうなるんだ』と背中で教えてくれたのだろう」と振り返り、ほかの生徒たちの作品も含めて出来栄えをたたえた。
基町高は2007年度から原爆資料館(中区)の依頼で絵を描き、191点を完成させた。今回の9点を含む一部の作品を、8月6~24日に広島国際会議場(中区)で展示する。(太田香)
(2023年7月4日朝刊掲載)