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平和の願い 女性像に 小由女さん ウクライナ国旗の色で創作 奥田美術館で展示中

サミット 首脳の配偶者に解説

 ウクライナでの戦争が続く中、三次市出身の人形作家奥田小由女さん(86)=東京都=が同国の国旗に包まれて平和を祈る女性像を創作した。広島市で5月にあった先進7カ国首脳会議(G7サミット)で、広島県立美術館(中区)を訪れたG7や招待国の首脳の配偶者に披露しており、現在、三次市東酒屋町の奥田元宋・小由女美術館で展示している。(三宅瞳)

 新作「平和への祈り」はウクライナ国旗の2色を使い、柔和な表情の立像を青と柔らかな黄の色胡粉(ごふん)で彩った。2022年度の日展出品作で、富山県での巡回展終了後、急きょ広島へ運ばれた。

 奥田さんは、広島サミット開催中の5月21日、県立美術館ロビーで配偶者7人を前に解説した。「尊い命が失われないよう祈る人々を覆い包むイメージ。広島出身の作家としてテーマにしてきた平和への思いは届いたと思う」と振り返る。

 ロビーには、東日本大震災後の作品「復興のともし火」など計5点を並べた。当初は美術館から隣の縮景園へ向かう途中に展示のみの予定だったが、1週間前に奥田さん本人の解説が決まったという。

 同席した奥田元宋・小由女美術館の黒瀬真一郎理事長は「言葉を交わす機会が持てたことは意義深い。すぐに世界が変わらなくても、いつか実を結ぶときが来る」と期待した。同館の常設展示室(有料)で9日まで観賞できる。同館☎0824(65)0010。

(2023年7月4日朝刊掲載)

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