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米学生 被爆の実態学ぶ 中区 証言聞き認識新たに

 米オハイオ州のボーリング・グリーン州立大で日本語を学ぶ学生11人が8日、広島市中区の平和記念公園を訪れて平和学習をした。被爆者の小倉桂子さん(85)=中区=から体験を聞き、原爆の被害と核兵器廃絶に向けた行動の必要性について理解を深めた。同州立大と提携校の広島女学院大(東区)の交流プログラムの一環。

 広島女学院大の卒業生でもある小倉さんは8歳の時に爆心地から約2・4キロで被爆した体験を語り、「すぐに核兵器を廃絶することは難しいかもしれないが、実相を知ることが第一歩になる」と強調した。

 5月に広島市であった先進7カ国首脳会議(G7サミット)で各国の首脳たちと面会したことにも触れ「ここで見た被爆の現状を伝え、何ができるか考えてほしい」と呼びかけた。ベン・アリーさん(20)は「原爆を落としたことで戦争が終わったと学校で教わってきた。証言を聞き、日米双方の教育や歴史を学ぶ必要があると感じた」と話した。

 両大学の交流は2004年から続く。新型コロナウイルス禍の影響で同州立大生の広島訪問は4年ぶりとなった。11人は10日まで滞在する。(伊藤友一)

(2023年7月9日朝刊掲載)

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