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原爆症認定 法改正含む見直しを 訴訟原告団 各政党に要求

 国が昨年末に見直した原爆症認定の新基準で申請を却下された被爆者を原爆症と認める判決が大阪、熊本地裁で相次いだのを受け、認定訴訟の全国原告団と全国弁護団は1日、法改正を含めた認定制度の抜本的な見直しを各政党に求めた。厚生労働省には両判決に控訴しないよう要請した。

 国会内での集会に約160人が参加。出席した6政党の国会議員計10人に対し、原告団の山本英典団長(81)が「政治の力で被爆の実態に合わせた制度にするように尽力してほしい」と訴えた。集会を共催した日本被団協の田中熙巳(てるみ)事務局長も「もはや政治の力で解決するしかない」と強調。被団協として訴訟の支援を検討する考えを示した。

 自民党の寺田稔氏(広島5区)は「現制度の限界が見えてきた。法改正も大いに視野に入れて活動しないといけない」と応じた。民主党の柳田稔氏(参院広島)も「政治が決断すべき時期だ」と述べた。

 原告団などは集会後、同じ会場で厚労省の担当者に、大阪、熊本両地裁の判決に控訴しないよう求める要請書を提出した。厚労省は大阪地裁判決について3月31日に控訴している。

 続く意見交換では、新基準導入に伴い、がん以外の病気の申請者数が10倍になるとした厚労省の予測に対し、会場から「そこまで増えないのではないか」などと疑問の声が上がった。(藤村潤平)

(2014年4月2日朝刊掲載)

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