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レバノン半年滞在 「地道に医療支援」 日赤派遣の日隈看護師帰国

 日本赤十字社の医療支援事業で中東レバノンの難民キャンプにある病院に派遣されていた広島赤十字・原爆病院(広島市中区)の看護係長、日隈(ひのくま)妙子さん(48)が半年間の活動期間を終えた。帰国の報告会で「医療の質の向上」という使命を振り返り、現地に密着した息の長い支援の必要性を説いた。

 日隈さんはレバノン北部のサファッド病院で、日赤が派遣した医師たちと共に昨年12月から活動。7日に原爆病院であった報告会では、現地の医療スタッフの技術指導に当たったり、病院の救急診療の記録様式を統一したりしたことを写真を交えて説明した。

 働きながら指導する中で、徐々に現地スタッフと信頼関係ができ、行動の変化にうれし涙が出たことも。「文化も見た目も違う外国人の言うことがすぐ受け入れられるわけではない。中に入り、共に働きながら地道に支援していく大切さを感じた」と語った。

 レバノンは深刻な経済危機に見舞われ、日赤によると、医療スタッフの確保や新しい技術の習得がままならない状況という。2018年から支援を続け、県内からの派遣は日隈さんが初めてだった。(新本恭子)

(2023年7月11日朝刊掲載)

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