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原爆残り火 ハワイ分火計画のモニュメント 安芸府中高生がデザイン案

 安芸府中高(府中町)の美術部が、原爆の残り火とされる福岡県八女市星野村の「平和の火」を米ハワイに分火する際のモニュメントのデザイン案を考えている。11日、計画を進める佐々木禎子さんの遺族と校内で意見交換した。

 1~3年の9人が、「原爆の子の像」のモデルとなった禎子さんの兄雅弘さん(81)=福岡県那珂川市=たちを前に、被爆アオギリ、天使などをそれぞれモチーフにした11のデザイン案を模型やデッサンで説明。折り鶴の要素も加え、3案に絞り込むことにした。

 同高は昨年10月、白血病のため被爆10年後に12歳で亡くなった禎子さんの命日に合わせ、ハワイの高校生や雅弘さんと交流。その縁で、雅弘さん側からデザインの依頼を受けた。

 雅弘さんたちの計画では、精密金属加工のキャステム(福山市)がモニュメントを作り、パールハーバー国立公園など数カ所に分火する。旧日本軍による真珠湾攻撃から82年となる12月7日(日本時間8日)の設置を目指している。

 部長の3年竹田遥夏さん(17)は「言語がなくても平和への思いが伝わるデザインにしたい。モニュメントが設置されたら現地に行きたい」と意気込んでいる。(二井理江)

(2023年7月12日朝刊掲載)

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