×

ニュース

米軍低空飛行 騒音測定器2ヵ所増設 廿日市市 全域で把握可能に

 広島県廿日市市は1日、米軍機による低空飛行の実態をより詳しく把握するため、廿日市、佐伯両地域に独自の騒音測定器を増設した。国が設置した測定器と併せて市内全域で騒音の把握が可能になり、低空飛行訓練の中止要請などにつなげていく。

 同市阿品台にある市内最大の住宅団地「廿日市ニュータウン」の阿品台市民センターと山あいの同市津田の佐伯支所の2カ所。両施設の屋上に高さ約2メートルの三脚を置き、集音マイクで70デシベル以上の航空機騒音を測る。

 市議会は昨年12月、測定器増設などを求める市民団体の請願を全会一致で採択。これを受け、市は設置費など147万円を予算計上していた。

 市は昨年6月、西中国山地の訓練空域とされる「エリア567」の一部である吉和地域に初めて導入。ことし2月末までの約9カ月間に計212回の騒音を記録した。昨年6月は月間80回を計測し、最大値は電車が通る時のガード下にほぼ相当する99・5デシベル。市は翌7月、米軍と国に訓練中止を要請した。

 中国四国防衛局も大野、宮島両地域に測定器を既に設置。市総務課は「国と併せて合併前の旧5市町村をカバーできる。地域の実情に即して、きめ細かく要請していきたい」としている。(桑原正敏)

(2014年4月2日朝刊掲載)

年別アーカイブ