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朝鮮半島出身者 被爆背景に焦点 中区で講演会

 朝鮮半島出身者の被爆の背景を考える講演会が15日、広島市中区の合人社ウェンディひと・まちプラザであった。韓国の原爆被害者を救援する市民の会広島支部主催で約70人が参加。日本の植民地政策で多くの人が海を渡り、原爆の惨禍に遭った実態を学んだ。

 市民の会の市場淳子会長が講師を務めた。「韓国のヒロシマ」といわれる陜川(ハプチョン)郡から広島へ移り住んで被爆した人たちの背景に、日本のための農作物の生産などがあったと指摘。「広島に多くの人が渡ったのは植民地の農業政策の結果。決して自由意思で、より良い生活を求めて渡ったと言えない」と説明した。

 徴用・徴兵で故郷を離れ、被爆した人たちについても解説。朝鮮半島出身者の被害が明らかになっていない現状を問題視した。

 支部は、5月に市であった先進7カ国首脳会議(G7サミット)で、韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領が現職として初めて広島を訪れたのを機に、朝鮮半島出身の被爆者の歴史を知ってもらおうと講演会を企画した。(小林可奈)

(2023年7月16日朝刊掲載)

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