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夏休み ゲン読んで 図書24冊紹介資料配付 広島市教委

 夏休みの読書の参考にしてもらおうと、広島市教委は14日、漫画「はだしのゲン」をはじめ平和に関する図書24冊を紹介する資料を全市立学校に配った。本年度の市立小の平和教材からゲンの引用を削除したのを受け、児童たちが作品に触れる機会が減らないように初めて企画した。

 資料は「読んで考える平和」と題し、絵本や漫画24冊の表紙と説明文を掲載している。A4判カラー2ページで作り、電子データを各校に送った。教員から子どもたちに教えたり、学校図書館で掲示したりしてもらう。タブレット端末でQRコードを読み込むと資料を保存できる。

 ゲンについては「(原爆投下後の)出会いや別れを通し、戦後の広島を生きていく少年の姿を描いたお話」と説明した。他は、新たな平和教材で取り上げた絵本「いわたくんちのおばあちゃん」や、原爆の犠牲となった一家6人の悲劇を伝える「ヒロシマ消えたかぞく」などが並ぶ。

 平和教材からのゲンの削除を巡っては、市民団体などから反発が相次いだため、市教委は夏休みに合わせて学校で作品を紹介する方向で検討していた。指導第一課は「市民からゲンに触れる機会が少なくなるとの声が多く寄せられたので企画した。原爆投下をはじめとする戦中、戦後の子どもの姿を描いた作品に触れ、平和の大切さを感じてほしい」としている。(宮野史康)

(2023年7月15日朝刊掲載)

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