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被爆体験記 第57集発刊 新日本婦人の会県本部

 新日本婦人の会県本部(広島市東区)は、被爆体験記集「木の葉のように焼かれて」の第57集を発刊した。いずれも広島で原爆被害に遭った被爆者14人の手記や短歌、証言の聞き書きを掲載し、被爆の実態や戦争の悲惨さを伝えている。

 6歳の時に牛田町(現東区)で被爆した世良豊子さん(84)=愛知県一宮市=は、戦後に家族4人で身を寄せた関西地方で「ゲンバク病がうつる」といわれのない差別を受けた経験をつづった。そうした中で、避難先の旅館で出た白米の味を忘れられず、被爆から74年後に妹と感謝を伝えに行ったという。

 村山季美枝さん(83)=東京都文京区=は自身の「あの日」の記憶と平和への思いを7首の短歌に込めた。ロシアのウクライナ侵攻に触れた歌では「泣きながら 避難してゆく幼子に 5歳の吾(われ)の ヒロシマ重なる」と詠んでいる。

 同会県本部は1964年からほぼ毎年、体験記集を発行してきた。編集委員会の平岡澄代さん(71)は「核兵器廃絶を願う被爆者の思いを知ってほしい」と話している。B5判、80ページ。2千部印刷し、1冊500円(送料別)で販売する。県本部☎082(263)0402。(根石大輔)

(2023年7月20日朝刊掲載)

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