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特殊潜航艇 補修終わる 「真珠湾」参加 江田島の術科学校

 海上自衛隊第1術科学校(江田島市)が保管、展示している特殊潜航艇の補修工事が終わった。甲標的と呼ばれ、ハワイの真珠湾攻撃(1941年)に加わった5艇のうちの1艇。同校によると、大規模補修は初めて。

 全長24メートルあり、同校に屋外展示していた。移動が難しく、工事を請け負った山本造船(呉市)が構内に仮設作業場を組み、2月中旬に作業を始めた。艇内にさび止めを塗り、外側の鉄板部分を強化プラスチックで補強。さらに灰色の塗装を施した。

 並んで展示している別の特殊潜航艇「海龍」も合わせて修理した。費用は計約2600万円。

 甲標的は60年、米国が海中から引き揚げた。翌年、日本に返還。以来、同校で展示してきた。雨や風にさらされて腐食が進んだため、補修に踏み切った。

 同校は「太平洋戦争の歴史を伝える貴重な艇。後世に伝えていきたい」としている。(貞末恭之)

(2014年4月4日朝刊掲載)

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