重文指定手続きに理解 被服支廠 文科相「国の1棟調査必要」
23年7月21日
永岡桂子文部科学相は20日、広島市内最大級の被爆建物「旧陸軍被服支廠(ししょう)」(南区)について、地元が国重要文化財(重文)指定に向けた手続きを進めることに理解を示した。被爆地選出の自民党の国会議員でつくる「被爆者救済と核兵器廃絶推進議連」との面会で答えた。重文調査をしていない国所有の1棟も今後の調査が必要との見方を示したという。
議連側が文科省を訪れ、耐震化に向けた財政支援を求めた。非公開の協議後、議連会長の寺田稔氏(広島5区)が報道陣に「文化財にする手続きを進めることは明確に話があった」と述べた。
現存する4棟のうち広島県が3棟、中国財務局が1棟を持つ。県は重文指定に必要な調査を終えたが、国の対応は未定。寺田氏と議連事務局長の平口洋氏(広島2区)によると、永岡氏は4棟セットで重文にするのが妥当とし、国の1棟も「調査が必要になる」との考えを示したという。財務局の対応が注目される。
政令指定都市内の建物の重文指定は、所有者の意見を踏まえ市長が国に意見具申する必要がある。永岡氏は協議の場で「県、広島市ともよく相談して手続きを進めてほしい」と求めたという。(樋口浩二)
被爆地の首長や議会議長でつくる広島・長崎原爆被爆者援護対策促進協議会(八者協)は20日、広島市南区の「旧陸軍被服支廠」をはじめとする被爆建物の保存への支援など7項目を厚生労働省に求めた。
広島県・市、長崎県・市の担当者が厚労省に大坪寛子健康局長を訪ね、広島県の北原加奈子健康福祉局長が要望書を渡した。これまでも被爆建物・樹木の保存支援を要望していたが、今回初めて旧陸軍被服支廠を例示。「失われてしまうと二度と取り戻すことのできない貴重な財産」と訴えた。
協議は非公開。取材に応じた北原局長は厚労省側から「具体的な予算の確保について各省と相談している」との回答があったと説明し「対策の充実を図ってもらいたい」と期待した。
文部科学や財務などの関係省庁、両県を地盤とする国会議員にも要望。原爆投下後の「黒い雨」を浴びた人の救済拡大や、日米両政府が共同運営する放射線影響研究所(放影研、広島市南区)の移転を着実に進めることも盛り込んだ。(山本庸平)
(2023年7月21日朝刊掲載)
議連側が文科省を訪れ、耐震化に向けた財政支援を求めた。非公開の協議後、議連会長の寺田稔氏(広島5区)が報道陣に「文化財にする手続きを進めることは明確に話があった」と述べた。
現存する4棟のうち広島県が3棟、中国財務局が1棟を持つ。県は重文指定に必要な調査を終えたが、国の対応は未定。寺田氏と議連事務局長の平口洋氏(広島2区)によると、永岡氏は4棟セットで重文にするのが妥当とし、国の1棟も「調査が必要になる」との考えを示したという。財務局の対応が注目される。
政令指定都市内の建物の重文指定は、所有者の意見を踏まえ市長が国に意見具申する必要がある。永岡氏は協議の場で「県、広島市ともよく相談して手続きを進めてほしい」と求めたという。(樋口浩二)
被服支廠の保存 初要求 八者協、厚労省に支援7項目
被爆地の首長や議会議長でつくる広島・長崎原爆被爆者援護対策促進協議会(八者協)は20日、広島市南区の「旧陸軍被服支廠」をはじめとする被爆建物の保存への支援など7項目を厚生労働省に求めた。
広島県・市、長崎県・市の担当者が厚労省に大坪寛子健康局長を訪ね、広島県の北原加奈子健康福祉局長が要望書を渡した。これまでも被爆建物・樹木の保存支援を要望していたが、今回初めて旧陸軍被服支廠を例示。「失われてしまうと二度と取り戻すことのできない貴重な財産」と訴えた。
協議は非公開。取材に応じた北原局長は厚労省側から「具体的な予算の確保について各省と相談している」との回答があったと説明し「対策の充実を図ってもらいたい」と期待した。
文部科学や財務などの関係省庁、両県を地盤とする国会議員にも要望。原爆投下後の「黒い雨」を浴びた人の救済拡大や、日米両政府が共同運営する放射線影響研究所(放影研、広島市南区)の移転を着実に進めることも盛り込んだ。(山本庸平)
(2023年7月21日朝刊掲載)