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メレヨン島の悲劇知って 第2次大戦で日本兵5200人死亡 7年ぶりの遺骨収集報告

 第2次世界大戦で南太平洋のメレヨン島に派兵された元将兵や、遺族でつくる全国メレヨン会が3月、7年ぶりに遺骨収集のために島を訪れた。福山市丸之内の備後護国神社にある慰霊碑近くで7日、報告会を開く。「悲劇の歴史に関心を持ってほしい」。若い世代への記憶の継承を願っている。

 メレヨン島は日本の南方2800キロに浮かぶ小さな15の島からなる群島の総称。派兵された約6800人には福山市出身者も多く含まれた。約5200人が飢えや病気で命を落としたとされる。

 同会の遺族2人と厚生労働省の担当者たちが3月6~9日、グアム経由でメレヨン島に渡った。島へは船で到着。墓標代わりに植えられたヤシの根元などから島民が集めた骨らしいものを受け取った。旧日本軍が造った島の滑走路が使えなくなり2008年以降は訪問が途絶えていた。

 報告会は午前11時からの慰霊祭に続き、開く。ビデオ映像で現地の様子を伝える。

 会員は現在約170人。毎月、慰霊碑を清掃している。帰還者の多くが亡くなり、遺族も高齢化して、どう活動を続けていくかが課題という。父が島で戦死した、副会長代行の峠本月三(たおもと・つきみ)さん(69)=広島市東区=は「さまざまな思いが込められた碑の存在や島の歴史を後世に伝えたい」としている。峠本さんTel082(283)0611。(久保友美恵)

(2014年4月4日朝刊掲載)

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