×

ニュース

米高校生 被爆体験聞く 原爆資料館で16人 「証言に心動かされた」

 米国の高校生16人が21日、広島市中区の平和記念公園を訪れ、原爆資料館で被爆者の小倉桂子さん(85)=中区=から体験を聞いた。AIG損害保険(東京)が主催する「高校生外交官」プログラムの一環。原爆の惨禍に触れ、被爆者の訴えへの理解を深めた。

 小倉さんは、爆心地から2・4キロで被爆した8歳の時の体験を高校生に英語で伝えた。自宅近くの神社の石段に負傷者が倒れ込んでいた状況などを語り、「あなたたちのような将来の世代にこんな体験をさせたくない。核兵器廃絶のために行動して」と訴えた。

 一行は原爆資料館も見学し、公園内にある原爆の子の像に折り鶴をささげた。バージニア州の高校3年エイミー・ビュフターさん(18)は「原爆や広島を断片的にしか知らなかったと気付いた。小倉さんの証言に心を動かされた。平和に貢献できる人になりたい」と話した。

 日本でのプログラムは1994年に開始。新型コロナウイルス禍で、広島訪問は2019年以来4年ぶりとなった。(宮野史康)

(2023年7月22日朝刊掲載)

年別アーカイブ