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「戦時下でも芸術守る」 ウクライナダンサー、安田女子中・高で語る

 日本公演中の「ウクライナ国立バレエ」のダンサーたちが24日、広島市中区の安田女子中・高を訪ね、生徒と交流した。約30人を前に、戦時下で芸術を守り抜く情熱や舞台から平和を訴える決意を語った。

 ダンサー2人が生徒の質問に答えながら思いを語った。プリンシパル(最高位)のニキータ・スハルコフさん(32)は「戦争はいつか終わるが芸術は永遠。途切れさせると何も残らなくなってしまう」と強調。カテリーナ・ミクルーハさん(18)は「一番大切な家族をいつ失うか分からない」と打ち明けた。

 団体の芸術監督を務める寺田宜弘さん(47)も同席。首都キーウ(キエフ)の自宅近くがロシアの攻撃に遭ったという。「私たちの戦場は舞台の上。世界から戦争がなくなるよう、祈りながら踊りたい」と力を込めた。

 交流会は、25日に上野学園ホール(中区)である公演を前に主催者の提案で開いた。生徒も、校内の食堂でウクライナの料理ボルシチをメニューに加える企画を実現させ、同国への関心を深めていると報告。1年西山萌望(ほの)さん(15)は「ウクライナの人たちの愛情の深さに触れた。あらためて自分が戦争にどう向き合えるのかを考えたい」と語った。(新本恭子)

(2023年7月25日朝刊掲載)

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