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国重文指定「異論ない」 中国財務局長 被服支廠4号棟巡り

 広島市南区にある最大級の被爆建物「旧陸軍被服支廠(ししょう)」を巡り、中国財務局の錦織功政局長は24日の記者会見で、所有する4号棟の国重要文化財(重文)指定について「価値のある建物。実現に全く異論はない」と述べ、調査の着手に前向きな姿勢を示した。

 現存する全4棟のうち、広島県は所有する1~3号棟の調査を終えている。一方、国所有の4号棟は未調査のままになっている。錦織局長は「事務的にじっくり詰める段階。県、広島市の判断を仰ぎながら、地域にとって大切な施設として残るよう、できる限りの努力をしたい」と強調した。

 一方、4号棟の耐震化工事の予算化は「2024年度以降の話になってくる」との見通しを示した。県は本年度から順次1~3号棟の耐震化を進める予定だったが、建設資材の高騰などもあり、県単独での財源確保が難しくなっている。全4棟が重文に指定されれば、文化庁の予算を活用して工事費を確保できるが、見通しは立っていない。(河野揚)

(2023年7月25日朝刊掲載)

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