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禎子さんの竹組級友の活動継ぐ 像の建立・思い出 伝承へ

 平和記念公園(広島市中区)の「原爆の子の像」建立を呼びかけ、実現させた故佐々木禎子さんの級友たち「6年竹組」の活動を将来も語り継ごうと、市民有志が実行委員会を発足させた。長年証言活動をしてきた川野登美子さん(81)=中区=の後継者数人を約1年かけて養成する。実行委は研修の参加者を募っており、31日に市内で説明会を開く。(新山京子)

 2歳で被爆した禎子さんは幟町小6年の時に白血病で入院した。すると竹組の同級生61人が「団結の会」を結成。交代で見舞いに出向いたという。2年から6年まで同じクラスだった川野さんはその一人だ。

 川野さんは28年前から県内の学校や修学旅行生の前で「禎ちゃん」との思い出を語っている。死をきっかけに原爆で犠牲になった全ての子どもたちのための像を造ろうと志したことや、募金活動を展開して1958年に像が建立されるまでの活動について、年に25回ほど伝えてきた。

 しかし近年は体調不良や家族の介護が重なった。川野さん自身も被爆者。「いつまで続けることできるか」と悩んでいたという。

 そこで友人の大久保玲子さん(81)が、市の被爆体験伝承者制度を参考に後継者の研修を提案。知人5人と実行委をつくった。大久保さんは「当時、竹組の活動に共感してわずかだが募金した。あの頃のことを若い世代に伝えたい」と語る。

 研修生は月1回の会合で川野さんから聞き取りをした後、証言原稿を作成。来年夏の活動開始を目指す。説明会は中区の合人社ウェンディひと・まちプラザで午前10時から。川野さんは「原爆の子の像は平和の象徴として世界中の人に大切にされてきた。像に託した子どもたちの平和への願いを引き継ぐため、手助けしてほしい」と話す。問い合わせは大久保さん☎080(8236)3334。

(2023年7月28日朝刊掲載)

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