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G7後の被爆地 役割議論 広島でコスタリカ元大使らシンポ

 核兵器廃絶への道筋を議論する国際平和シンポジウムが29日、広島市中区の広島国際会議場であった。コスタリカの元ジュネーブ代表部大使のエレイン・ホワイト氏たちが、5月に広島市であった先進7カ国首脳会議(G7サミット)後の被爆地の役割をテーマに討論などをした。

 ホワイト氏は2017年に国連で採択された核兵器禁止条約の交渉会議で議長を務めており、講演では「(条約採択は)核兵器を拒絶する世界的努力を象徴した」と解説。G7サミットでの核軍縮文書「広島ビジョン」などをテーマにしたパネル討論では、「各国の首脳らが広島のメッセージを共有した」などの意見も出る中、ホワイト氏は「核兵器の人類への影響という視点が抜けたまま広島の名が付いたビジョンとなった」と批判した。

 市や広島平和文化センターなどが主催し、会場やオンラインで約700人が参加した。安芸区の泉本聖二さん(77)は「核兵器禁止条約を批准していない日本政府は、核廃絶への姿勢がぼやけている。被爆者の声を広島から広げる必要性を改めて感じた」と話した。(川村正治)

(2023年7月30日朝刊掲載)

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