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元教師、ヒロシマ語る 会員37人の証言集出版

■記者 田中美千子

 被爆や戦争を体験した広島、長崎両県の元教員でつくる「ひろしまを語り継ぐ教師の会」が、証言集「語りびと」を出版した。

 A5判、全300ページに、会員79人のうち37人の証言を計41編まとめた。原爆投下直後の広島の様子や友人をみとった体験などを克明につづっている。被爆死した姉の写真や惨状を描いた挿絵を添えた筆者もいる。戦艦大和の元乗組員は沈没の瞬間を伝えた。

 原爆や戦争の記憶を風化させないため発行を決めた。証言集のうち16編は、5年前に刊行した証言集を加筆して再録。新たに25編を加えた。ここ数年間に亡くなった会員の証言記録を書き起こしたものもある。

 会費と支援金で1500部を印刷した。市内の学校や図書館に贈り、残りは同会事務局を通して販売する。書店での販売も検討中。税込み千円。

 松島圭次郎会長は「広島は核兵器廃絶をリードしなければならない。その自覚を持つためにも、一人でも多くの人に読んでほしい」と願っている。同会事務局Tel082(870)6515(梶矢さん)。

(2009年7月14日朝刊掲載)

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