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皆実高の「先輩」、被爆体験語る 県立広島第一高等女学校に在籍 91歳河田さん

 皆実高(広島市南区)の生徒たちが28日、南区の段原公民館で、同校の前身校である県立広島第一高等女学校の2年時に被爆した河田和子さん(91)=南区=から体験を聞いた。13歳が目の当たりにした悲惨な光景に触れ、平和の尊さをかみしめた。

 原爆投下時、河田さんは学徒動員のため、爆心地から約2.5キロの高須(現西区)にあった航空機関連の工場にいた。翌日、大手町(中区)の自宅に戻ったという。

 「家の周りは何もなかった。よく遊んだ元安川には遺体がいかだのように浮かんでいた」と話し、遺体を岸に引き寄せて父を捜したと振り返った。「原爆で13歳以前の人生が消えうせてしまったように思う。むごい状況を見たからこそ、命の大切さを感じる」と語った。

 同校生徒会が企画し、段原中の放送部員と合同で河田さんに質問する形式で体験を聞いた。生徒会長の2年田中春麗さん(16)は「被爆者の体験や表現の仕方は一人一人違う。たくさんの話を聞き、自分も伝えていきたい」と話した。(頼金育美)

(2023年7月29日朝刊掲載)

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