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核兵器廃絶へ行動を 「14歳のヒロシマ」著者 梶本さん 広島でイベント 原爆の惨状語る

 被爆者の梶本淑子さん(92)=広島市西区=が原爆投下後に見た惨状や戦後の生活をつづった新著「14歳のヒロシマ」(河出書房新社刊)について語るイベントが28日、平和記念公園(中区)の被爆建物レストハウスであった。約40人に「原爆が何をもたらしたのか知って」と呼びかけた。

 梶本さんは、安田高等女学校(現安田女子中高)3年だった14歳の時に爆心地から2・3キロで被爆。著書では重傷の同級生らと死体を踏みながら逃げ惑った時の心情や、70歳からの証言活動で出会った米国の高校生との交流について記す。

 本は中高生向けで、基町高(中区)の生徒が梶本さんの体験を基に描いた「原爆の絵」も掲載。梶本さんは「互いに真剣に向き合うことで平和への思いを共有できた」と語り、「若者が核兵器廃絶のために行動しようと思うきっかけになれば」と力を込めた。

 執筆を支えたライターの村田くみさん(53)=東京都=と表紙を描いたアーティスト恩田トシオさん(45)=埼玉県秩父市=も参加し、出版を喜んだ。

 イベントは30日まで開かれている平和イベント「いま、ここにあるヒロシマ3」の一部で、原爆ドームの絵画展示や映画上映などもある。 (新山京子)

(2023年7月29日朝刊掲載)

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