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「父と暮せば」朗読公演 福山で5日 安佐北の演劇ユニット

 福山市西町の複合施設「iti SETOUCHI(イチ セトウチ)」で5日、戯曲「父と暮せば」の朗読公演がある。劇作家の故井上ひさしが、被爆した女性の終戦直後の姿を描いた同作を演劇ユニット体温(広島市安佐北区)が披露。被爆者の苦悩と希望を表現する。

 物語の舞台は原爆投下から3年後の広島。原爆から生き残った主人公美津江は「自分だけが幸せになることはできない」とかたくなな気持ちを持つ。それを見守る父親は、美津江を諭し、なだめようとする。

 同ユニットは2004年の結成後、県内を中心に同作の公演を重ねてきた。生前、広島を訪れた井上からは「なるべくたくさん上演してほしい」と思いを託されたという。同ユニットは「生き延びた人のつらさ、前を向く尊さを感じてほしい」と呼びかける。公演は午後2時と同6時の2回。前売り券は一般1500円、学生は千円。同ユニット☎090(1334)1111。(猪股修平)

(2023年8月2日朝刊掲載)

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