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「生ましめんかな」に感動 被爆後助産師に 奮闘学ぶ 広島の保育園で紙芝居

 原爆詩人栗原貞子の詩「生ましめんかな」の基になった、被爆間もなく生まれた赤ん坊の実話に感動し、助産師になった被爆者女性の半生を伝える紙芝居の上演会が2日、広島市中区のMIE(ミー)保育園であった。

 女性は神戸(かんべ)美和子さん(85)=東京。紙芝居は7歳の時に広島で被爆した神戸さんが、被爆2日後に助産師が重いやけどを負いながら暗い地下室で赤ん坊を取り上げた実話に心を動かされ、「人の役に立つ大人になろう」と助産師を目指した姿を伝える。

 神戸さんを取材して2017年に紙芝居を作った元小学校教員の藤田ヨシエさん(71)=同=が、今回初めて広島で披露した。物語に登場する赤ん坊である被爆者の小嶋和子さん(77)=南区=も上演会に参加した。

 小嶋さんが「私は多くの人に支えられて大きくなった。みんなも友達を大切にね」と語ると、園児たち43人は真剣に聴き入った。藤田さんは「大変な状況でも希望を持って生きた被爆者の思いが子どもに伝わるとうれしい」と話した。(久保友美恵)

(2023年8月3日朝刊掲載)

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