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シリアのがれきに「ゲン」 現地のアーティスト集団が描く 中区で現況伝えるパネル展

 長引く内戦や2月の大地震で多くの建物が倒壊したシリア北西部の街の巨大ながれきを使ったアートプロジェクトで、「はだしのゲン」が描かれたという。現況を伝えるパネル展が4~6日、広島市中区袋町のギャラリー718であり、原爆の苦難に立ち向かう漫画の主人公ゲンがシリアの被災者を勇気づけているさまを紹介する。

 パネル展は在日シリア人ジャーナリスト、ナジーブ・エルカシュさん(49)=東京=の主催。トルコ国境に近いビンニシュ市で、男女4人のアーティスト集団「希望の筆」が進める同プロジェクトの支援者でもある。

 シリアでは10年以上も内戦が続き、さらに2月のトルコ・シリア地震で同市は大きな被害を受けた。「希望の筆」は地震の前から、がれきに風刺画などを描いてきたが、5月の先進7カ国首脳会議(G7広島サミット)を機に「ゲン」の絵を描いたという。

 助言したナジーブさんは「ゲンはアニメ作品が現地でよく知られており、絵の力は大きい。ヒロシマとシリアをつなげたい」と話す。他の作品も合わせ、写真パネルや動画の約40点で紹介する。入場無料。午前11時~午後6時、6日は同5時まで。(道面雅量)

(2023年8月4日朝刊掲載)

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