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平和の願い 心込めて 三次 菊の摘み取りや献花式

 原爆投下から78年となる6日を前に三次市内の小中学校などで4日、原爆や戦争の犠牲者を悼む菊の摘み取りや集いがあり、平和な世界の訪れを願った。(林淳一郎、戸田剛就)

  ■河内地区

 住民たちでつくる実行委員会の平和の集いに先立ち、河内小5、6年生7人が校庭で育てた菊約150本にはさみを入れ、地元の菊農家坂居君枝さん(84)に教わって白や赤など4色の花を束ねた。校舎に戻り全校児童18人で黙とう。「世界中のみんなが明日も笑いあえるように」と全員で考えた平和宣言を発表した。

 その後、5、6年生7人は集いへ。太平洋戦争などで亡くなった地区の100人を悼む慰霊碑前で、堂前昭己実行委員長(68)が「心を込めて平和を祈ろう」と呼びかけた。児童は教員と作った千羽を超す折り鶴をささげ、菊を献花した。

 7人は6日、広島市中区である平和記念式典に参列。式後、菊を原爆慰霊碑へ手向ける。6年高橋武都葵(むつき)さん(11)は「戦争は二度としないという思いを届ける」と誓う。

 ■三良坂地区

 三良坂平和公園では、原爆死没者や戦争犠牲者を追悼する献花式が営まれた。三良坂中の全校生徒48人と教員、住民たちが三良坂平和を願う会の会員から白や黄の菊を受け取り、「母と子―わたす像」に手向けた。

 願う会の新谷憲吾事務局長(68)によると、被爆者の高齢化が進み、献花式への出席が難しくなっているという。3年渡辺遥さん(15)は「SNS(交流サイト)で世界の戦争がリアルタイムで分かる時代。私たちも平和のメッセージを発信したい」と強調した。

 同公園では午後7時から市主催の「平和のつどい」も開かれ、福岡誠志市長たち約180人が出席。平和記念公園(広島市中区)の折り鶴を再利用し、手作りした約800個の灯籠をともした。

(2023年8月5日朝刊掲載)

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