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「核抑止論から脱却を」 原水協・禁 広島大会始まる

 日本原水協と原水禁国民会議がそれぞれ中心となる二つの原水爆禁止世界大会の実行委員会は4日、広島での日程を始めた。被爆者たちが、広島市で5月にあった先進7カ国首脳会議(G7サミット)での核軍縮文書「広島ビジョン」が肯定した核抑止論からの脱却を求めた。

 広島市中区のビルであった日本原水協系の会議にはオンラインを含む約300人が参加。児玉三智子さん(85)は被爆直後の広島の惨状や、その後も差別に苦しんだ過去を切々と語り「核抑止力による安全保障ではなく、相互信頼に基づく安保政策に転換し、核兵器廃絶に踏み出そう」と呼びかけた。

 原水禁国民会議系の大会は広島県立総合体育館(中区)であり、約2100人が集まった。金子哲夫共同実行委員長は「核兵器が存在する限り、世界が核の脅威から逃れることはできない」と核抑止論を批判した。

 大会はそれぞれ7日に長崎市へ移り、9日まで続く。(山本庸平)

(2023年8月5日朝刊掲載)

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