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反戦訴え 四国五郎の生涯 安来で企画展 油絵や「おこりじぞう」原画

 平和への思いを絵や言葉で表現し続けた三原市出身の詩人・画家、四国五郎さん(1924~2014年)の作品を集めた企画展が5日、安来市の市加納美術館で始まった。原爆をテーマにした代表作の絵本「おこりじぞう」の原画などを展示。慰霊の夏、平和について思いを新たにする機会を提供している。10月15日まで。(高橋良輔)

 四国さんの生涯を絵画で振り返る内容で、油絵や絵本の原画など約50点が並ぶ。表紙画と挿画を手がけた「おこりじぞう」の原画は19枚。絵本の文が添えられている。

 シベリア抑留を体験した四国さんが、1990年代に同地を再訪して描いた油絵も展示。原爆で壊滅した広島へ戻った際の思いを表現した絵画もある。詩と絵を組み合わせたポスターのような「辻詩(つじし)」は、反戦への強いメッセージが込められている。

 6日午後1時半からは長男光さんが講演し、再び戦争をしないために活動してきた五郎さんの思いなどを披露する。9月24日には詩の朗読会も予定されている。

 千葉潮館長(63)は「大人も子どもも、戦争は絶対にしてはいけないと誓う機会にしてほしい」と来館を呼びかけている。

 同館は午前9時~午後4時半。大人1100円、高校生・大学生550円、小中学生は無料。火曜休館。安来市出身で平和活動に尽力した画家加納莞蕾(かんらい)の作品も収蔵している。☎0854(36)0880。

(2023年8月6日朝刊掲載)

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