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核密約否定なら審議停止 衆院外務委 河野委員長

■記者 道面雅量

 核兵器の持ち込みをめぐる日米間の密約の存在について、自民党の河野太郎衆院外務委員長は13日、国会内で記者会見し、これまで通り密約を否定する政府答弁は認められないとして、新たな説明がなければ委員会審議を止める考えを示した。

 河野氏は、密約の存在を証言した村田良平元外務事務次官らへの聞き取り調査の結果、「信ぴょう性は極めて高い」と判断。従来の政府答弁のままでは「まともな議論にならない」とし、外務委員会で修正を求める決議も目指すとした。

 また、密約を公式に認める意義について「過去の答弁者の責任追及ではなく、北朝鮮などの脅威に対して核抑止力をどう維持するかの議論につなげたい」とも強調した。

 ただ衆院解散が21日の週に固まったため、今国会中に答弁を修正させるのは困難との認識も示した。

 村田氏らの証言によると、1960年の日米安全保障条約改定に際し、核兵器を積んだ米軍の艦船などの日本立ち寄りを黙認することで日米が合意したとの密約を、歴代の外務事務次官らが引き継いで管理していたとされる。

核密約の存在 重ねて否定 藪中事務次官

 藪中三十二外務事務次官は13日の記者会見で、河野太郎衆院外務委員長が核持ち込みに関する日米間の密約はないとの政府答弁修正を求めたことに対し「歴代の首相、外相を含めて密約はないと言明してきている。政府見解は、それに尽きている」と述べ、重ねて存在を否定した。

 政府答弁修正についても「(政府に)今の時点で新しい考え方があるわけではない」と否定的な見解を示した。

 答弁を修正しない場合、審議を止めるとの河野氏の発言について「立法府と行政府の関係で、その時々で判断する必要がある」と述べるにとどめた。

(2009年7月14日朝刊掲載)

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