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被爆者の体験 英訳紙芝居で 米アイダホ大生、中区で披露

 米アイダホ大で日本語を学ぶ学生5人が5日、広島市中区のおりづるタワーで、8歳で被爆した小倉桂子さん(86)=広島市中区=の体験を基に制作された紙芝居を英訳して披露した。

 紙芝居は、基町高(中区)の卒業生が2022年に完成させた「ケイコの8月6日」。小倉さんが自宅前で爆風に飛ばされたことや、大やけどの人に水をあげると目の前で亡くなったことを絵と英語で伝えた。国内外の来場者約50人が真剣な表情で聞き入っていた。

 発表を見守った小倉さんは「核兵器を持つ米国の人たち自身が、子どもたちに広島で起きたことを伝え続けてほしい」と話していた。

 昨年9月に同大であったシンポジウムに小倉さんが出席し、学生たちに英語版紙芝居の制作を依頼した。発表を担当したデベン・マイカリスさん(22)は「米国では戦争を終わらせるために原爆が必要だったと捉える声もあるが、小倉さんの体験を聞いて命の大切さに気付かされるはずだ」と話していた。(向井千夏)

(2023年8月6日朝刊掲載)

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