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平和な世界へ 鎮魂の祈り 各地で追悼行事「核廃絶 訴え続ける」

 原爆の日を前に、広島市内の各地で5日、原爆犠牲者の追悼行事が営まれた。市民らが鎮魂の祈りをささげ、平和への願いを新たにした。(木原由維、口元惇矢)

 中区の元安橋東詰めの「原爆犠牲ヒロシマの碑」の碑前祭には、市内の児童や生徒約100人が参列。被爆2世で碑維持委員会の頼信直枝委員長は、5月の先進7カ国首脳会議(G7サミット)での核軍縮文書「広島ビジョン」が核抑止論を肯定したことに触れ、「被爆者の願いに全く反する。今こそ歴史に学び、平和の実現へ行動しよう」と呼びかけた。

 原爆投下後に降った「黒い雨」で被爆した高東征二さん(82)=佐伯区=が体験を語り、小中高生の代表3人が「原爆の悲劇を風化させないため後世に語り続ける」などと平和の誓いを述べた。

 県被団協(箕牧(みまき)智之理事長)は、中区の広島平和会館で原爆死没者追悼慰霊式を開いた。役員たち20人が参列。箕牧理事長はロシアのウクライナ侵攻を踏まえ、今を生きる被爆者の使命として「地球上から核兵器がなくなることを訴え続ける」と力を込めた。

 県建設労働組合も中区の原爆犠牲建設労働者・職人の碑前で慰霊祭を営み、各県の組合から計約80人が参列した。

(2023年8月6日朝刊掲載)

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