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哀切に鎮魂の旋律 広響が「平和の夕べ」

 広島交響楽団の「平和の夕べ」コンサートが5日、広島市中区の広島文化学園HBGホールであった。音楽総監督の下野竜也のタクトで、南区出身の作曲家糀場富美子の「未風化の7つの横顔 ピアノとオーケストラのために」をはじめ、原爆や鎮魂をテーマにした近現代曲を奏でた。

 糀場が被爆60年の2005年に作曲した。被爆体験を風化させないようにと編んだ旋律を、安佐南区出身でソリストを務めたピアニスト萩原麻未が厳かに紡いだ。

 フォーレの「レクイエム」では、バスバリトンの加藤宏隆とエリザベト音楽大合唱団が哀切に満ちた歌声を響かせた。ソプラノ歌手隠岐彩夏を迎えたプーランクの歌曲「平和のためにお祈りください」、三善晃「夏の散乱」も披露し、約1450人を魅了した。中国新聞社などの主催。(木原由維)

(2023年8月6日朝刊掲載)

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